【フリーランス】個人事業者の税務調査でよくあるご相談事例5つ
個人事業主の税務調査のご相談をお受けしています。 ご相談が多い事例について書いてみます。
※ 守秘義務の関係から事実を変えているところがあります。
(この記事について簡単にお話しました。)
ご相談が多い事例
個人事業者の税務調査でご相談が多いものとしては
- 売上除外やごまかし
- レシートや領収書がない
- 帳簿がない
- 無申告
- 経費にならないものを入れている(生活費など)
- 納税に関すること
があります。
プラスで「一括で納税できない」があります。
細かいところではもっとありますが、大きく分けると上記の5つです。
ご相談いただくことが多いのは上記のどれかに当てはまります。
中には帳簿もあり領収書の保存もあり完璧に揃っているケースもありますがそれは稀です。
大抵は何かしら不安な点があります。
細かいところですと二重帳簿を作成している、他人名義の銀行口座を使っている、
白紙の領収書を入れているなどもあります。 今回は上に挙げた大きな5つについての内容です。
売上除外・誤魔化し・減額
ご相談で多いのは売上金額が間違っているケースです。
意図的な場合もあれば計算間違いや勘違いのこともあります。
多いのは「消費税を払いたくないから」です。
売上金額が1,000万円を超えると消費税の納税が必要となるためにあえて売上金額を800万円や900万円にして提出していることが多いです。
消費税のためだけではなく、単純に税金を減らしたいという思いで売上除外していることもあります。
売上金額は税務調査で最も重点的にチェックされるところですから間違いは必ずわかります。
売上金額に間違いがある場合には修正申告をするなどの対策が必要となります。
参考 → 売上げが間違っている・除外している・誤魔化している場合の税務調査対策
レシート・領収書がない
これも非常にご相談が多いです。
レシートや領収書がまったくない、一部だけしか保存していないといったケースです。
引っ越しのときに捨ててしまった、最初から保存していなかったなど様々です。
いずれにしても何も残っていないとなると税務調査では不利になってしまいます。
よくあるのは建設業などで現金手渡している外注費の領収書が無いケース。
外注費は金額が大きいこともあり経費が認められないとかなり負担が重くなってしまいます。
何も資料が残されていない場合には対策が必要です。
参考 → 領収書やレシートなど何も資料が残っていない場合の税務調査対策
消費税が怖い
売上金額が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。
領収書やレシートが残っていないと消費税では一切経費を認められなくなり、売上金額に対してそのまま消費税を納税することとなってしまいます。
売上金額が1,000万円あるとその10%で100万円を納税しなければいけなくなってしまいます。
何も資料が残っていない場合には対策が必要となってきます。
帳簿がない
帳簿の作成保存がないケースも多いです。 白色申告であれば帳簿がないことについて大きな問題となることは少ないです。
白色申告であっても帳簿の作成は必要なのですが、帳簿がないことによる罰則などはありません。
(作成しなくていいということではありません)
青色申告の場合は帳簿が無いと65万円控除は受けられなくなる可能性が高いです。
場合によっては青色申告の取り消しもあり得ます。
さらには先ほど挙げた消費税の問題も絡んでくる可能性があります。
帳簿が無い場合にはどうやって確定申告書を作成したのかをしっかりと説明できるようにすることが重要です。
無申告である
無申告のご相談も多いです。
個人事業者で確定申告をしなければいけないことを知っていた。
副業の確定申告をしていなかった。
など理由は様々です。
今までずっと無申告だったり過去2年だけ申告しているなどのケースもありました。 いずれにしても無申告はまずい状況です。
無申告のまま税務調査を受けるのは避けなければいけません。
税務調査の連絡があった場合には急いで対策する必要があります。
無申告者に対する税務調査が増えていますのでしっかりと対策しておきましょう。
税務調査の連絡が来てから急いで準備しても期間が短く対応が大変です。
できれば連絡が来ていないうちに確定申告する方向で検討しておきましょう!
参考 → 個人事業主の税務調査は無申告・ネットビジネスが増えている
経費にならないものを入れている
経費に関するご相談も多いです。
仕事なのか生活費なのかの区分が曖昧になっているケースも多いです。
個人事業主の税務調査ではどうしても生活費との関連が問題となります。
よくあるのは飲食代です。
自分の飲食代を交際費にしているケースが非常に多いです。 個人事業主は自分の飲食代は経費にすることはできません。
食事は仕事をしていなくても必要となるので経費とは言えないからです。 飲食代については調査の際にチェックされるところです。
あまりに飲食代が多いと内容を確認されることもあります。
参考 → 領収書の裏取りをされるのか?
自宅事務所は?
個人事業主でよくあるのは自宅事務所を経費にできるかです。
家賃を経費にしていることも多いです。
実際に自宅で仕事をしているのであれば家賃も経費にすることは可能です。
もちろん全額は経費にできませんので何割かを経費にすることとなります。
この「何割なのか」は合理的に区分できないとダメ、とされています。
なぜその割合を経費にしたのかをちゃんと説明できるようにしておく必要があります。
参考 → 自宅兼事務所の税務調査の注意点。自宅と仕事部分を明確に区分することが重要
一括で納税できない場合
納税に関するご相談も多いです。
税務調査は数年分の税金が発生する可能性があります。
所得税、住民税、消費税、事業税、国民健康保険などが数年分発生するとものすごく多額となってしまうこともあります。
さらには加算税もあります。
実際に数百万円、数千万円の納税が発生したこともあります。 一括での納税ができない場合には相談するしかありません。
銀行から借り入れができればいいのですが、税金が未納となっていると借り入れが難しいことが多いです。
そのため分割での相談しかできないことが多いのです。
税務署などは厳しい、すぐ差し押さえされると考えている人もいますがそんなことはありません。
ちゃんと相談すれば応じてもらえます。
実際に相談して分割払いをしている方がたくさんいます。
相談をせずにほったらかしにしていると差し押さえをされてしまいますが、ちゃんと相談していればいきなり差し押さえされることはありません。
問題があるときこそ相談を!
何かしら問題があると相談しにくいと思われることが多いようです。
税理士からすると「問題があるときこそ相談してほしい」と感じます。
やましいことがあるから相談できない。
このように考える方が多いです。
逆に何も問題がなければ税理士に相談する必要はないでしょう。
不安がある・何かしら問題があるようでしたらぜひ相談することを検討してみてください。
→ やましいことがあるときこそ相談を!相談しにくいと思わないで欲しい
私も税務調査のご相談をお受けしております。
心配なことがありましたらご相談ください。
お困りの際はご相談ください。
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